【概要】
離乳食で気をつける食品となぜ気をつける必要があるかの理由、いつ頃からあげていいのかについて解説。
【参考文献】
- 消費者庁:アレルギー表示とは
- 主婦の友社:はじめてママ&パパの離乳食
- 厚生労働省:はちみつをあげるのは1歳を過ぎてから。
- 関東中央病院:赤ちゃんの脳に鉄分を
アレルギー食品
赤ちゃんは大人よりもアレルギーを発症しやすいため、アレルギー食品には特に気を付けなければいけません。
アレルギー症状を発症しやすい食品は、消費者庁が定める「アレルギー表示義務7品目」および「アレルギー表示奨励20品目」です[ref.1]。
■アレルギー表示義務7品目
・鶏卵 ・牛乳 ・小麦 ・落花生(ピーナッツ) ・えび ・そば ・かに
■アレルギー表示奨励20品目
・いくら ・キウイ ・くるみ ・大豆 ・カシューナッツ ・バナナ ・やまいも ・もも ・りんご ・さば ・ごま ・さけ ・いか ・鶏肉 ・ゼラチン ・豚肉 ・オレンジ ・牛肉 ・あわび ・まつたけ
上記の中で、赤字で記載したものは消化しにくかったり、のどに詰まらせやすかったり、アレルギー反応が出やすい食品であるため、基本的には乳幼児期(~1歳くらいまで)にはあげないようにしましょう。
また、赤字で記載していないものも以下のような注意が必要です。①加熱する、②新しい食品を始めるときは少量からあげるようにする、③新しい食品は一度に2種類以上あげないようにする、④症状が出た場合に病院に行きやすいようになるべく午前中にあげる。[ref.2]
アレルギー症状は、約9割がじんましん等の皮膚症状のようですが、その他に嘔吐したり、場合によってはアナフィラキシーショックといって命に関わる症状が出る場合もあります。
アレルギー食品が何かを理解して、新しいアレルギー食品をあげた後は、赤ちゃんの様子をよく観察することを心がけてください。
はちみつ
はちみつは、1歳未満の赤ちゃんが食べると乳児ボツリヌス症にかかる恐れがあります[ref.3]。
赤ちゃんが乳児ボツリヌス症にかかると便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなるといった症状が出て、まれに亡くなることもあります。
しかも、ボツリヌス菌は熱に強いため、ちょっとした加熱では死滅しません。
したがって、はちみつをあげるのは1歳を過ぎてからにしましょう。
生物
刺身や生卵などの生物は食中毒にかかる恐れがあるため、赤ちゃんにあげるのは危険です。
生物は3歳過ぎてから元気のいい時に少しずつあげるようにしましょう[ref.2]。
のどに詰まりやすい食品
お餅、かまぼこ、こんにゃくなどの食品はのどに詰まらせて窒息の恐れがあるので、乳幼児期にはあげないようにしましょう。
乳幼児期が終わっても、子供の咀嚼力や飲み込む力はまだまだ弱いので基本的には3歳をすぎてからあげることをおすすめします[ref.2]。
(飲料としての)牛乳
牛乳は腸管での鉄分の吸収を妨げてしまい、鉄欠乏性貧血を起こしやすいため1歳未満の赤ちゃんには与えないようにしましょう。
鉄欠乏性貧血になりそれが長期間続くと認知能力、運動発達、社会性や情緒発達に影響を与える可能性があると言われています[ref.4]。
しかも、これらの発達の遅れは一時的なものではなく、その後何年も引きずってしまう可能性があります。
かといって、牛乳は栄養が豊富であるため、1歳を過ぎて、特に2-3歳になったら積極的に飲ませるようにしましょう。
また、乳幼児期であっても、調理に使用する程度の少量であれば問題ないようです。
塩分・糖分
塩分は赤ちゃんの未熟な腎臓に大きな負担を与えますし、糖分は糖尿病のリスクを高めたり味覚形成にも影響を与えると言われているため、過剰な摂取はおすすめできません[ref.2]。
乳幼児期は塩や砂糖はほんのひとつまみ程度に抑えましょう。
まとめ
赤ちゃんの体は未発達のため、多くのことに注意しなくてはなりません。
特に、アレルギー食品の一部、はちみつ、生物、のどに詰まりやすい食品、(飲料としての)牛乳は乳幼児期にはあげないよう注意しましょう。
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